イヤホンの音漏れ! 「高校生はマナーが悪い!」と思っていたが…

これは朝のラッシュでのできごと。

担当していた路線は途中に高校があるので
多くの高校生で賑わっていた。

ただ、賑わうと言っても、
生徒同士の会話で騒がしい路線もあれば
教科書を開いて勉強しているため
人数的に賑わっているだけの路線もある。

このように、高校生を運ぶ路線に乗務すると
学校の校風を垣間見ることができる。

さて、乗車していた高校生は後者だったので
騒がしさによるストレスはないのだが、
出発して間もなく信号待ちになると
イヤホンからの音漏れに気がついた。

早速、ミラーで車内を見渡すと、
イヤホンをしている生徒が10名程おり、
音の聞こえる方向から運転席周辺に
座る高校生数名が容疑者として浮上した。

(たぶん、この子かな?)

普段ならアナウンスで注意するのだが
高校生が降りるバス停までは
10分もかからない距離だったことに加え
一般客も2~3人と少なかったので

「まぁ、あと少しだからいいかぁ」

と妥協してしまった。

しかし、これが『大きな失敗』だった。

この手のエピソードの失敗談は
音漏れを注意しなかったことによる
他の乗客からのクレームである。

「運転士はなぜ注意しない!」

と言うお叱りだ。

そのため、面倒でもアナウンスを
入れるのが通例になっているのだが、
今回の失敗はこれではない。

程なく高校があるバス停に到着し
高校生と一般客のほとんどが降車し、
車内に残ったのは若い女性客だけになった。

「これで静かに運転できる」

とホッとしたのもつかの間、
次の信号に引っ掛かると
イヤホンからの音漏れが…

「えっ、まさか犯人はこの女性!?」

音漏れの容疑者が高校生だと思い込んでいた
こともあってイヤホンをしていたこの女性は
正直、ノーマークだった。

意外な展開に驚いたのだが、
同時に失敗したことに気が付いた。

それは、女性客以外誰もいないことである。

「他のお客様のご迷惑になりますので…」

普段ならこのような注意アナウンスを
入れるのだが、他のお客様はいないため、
さすがにアナウンスはおかしい。

「イヤホンから音が漏れてますよ」

このように話しかけてもよかったのだが
正直、今さら話しかけるのは微妙であるし
私が我慢すればいいだけの話なので
結局、スルーすることに…

「早く降りろ、早く降りろ」

高校生がマナーを守っていたと思うと
この女性客に対するイライラが募った。

正直、容姿端麗な女性客なら
ここまでイライラしなかったであろうが…

(以下、想像にお任せします。苦笑)

結局、イライラが報われることはなく
女性が降車したのはさらに30分後、
終点間際のバス停だった。

世の中上手くいかないものである。

それにしても、
高校生が賑やかで騒がしいと言っても
先入観はよくないと痛感させられた。

プロフィール

長年勤めたウェディング業界から路線バス運転士に転職したアラフォーの「こーくん」。メルマガのバックナンバーを公開しています。
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