「回送」表示が変わらない!?

路線バスの方向幕には色々な行き先がある。

ただ、長い幕に様々な行き先が列挙され、
該当する行き先をピタッと窓に合わせる
昔ながらの方向幕はLEDを使用した電光板に
置き換えが進んでおり、
その数は年々減少している。

まさに「絶滅危惧種」である。

鉄道でもLED化が進んでいることもあり、
方向幕に愛着をもった一部”マニア”による
方向幕泥棒が問題となることがあるが、
バスも例外ではない。

余談であるが、
マニア(Mania)と言う言葉は、
熱中しすぎて周囲のことが目に入らない
異常な興奮状態を示す精神疾患(躁状態)の
意味も含まれるらしい。

日常会話で頻繁に用いられるが、
このような意味があったのは意外である。

ちなみに公式メルマガや本サイトでは
「愛好家」「ファン」と言った
言葉を使っていこうと思う。

さて、私自身は愛好家ではないが、
それでも廃止された系統の行き先を見ると

「へぇ、こんな所を走っていたんだぁ」

と地図を見ながら感慨にふけるときもある。

そんな方向幕だが、
行き先を示すものばかりではない。

『教習車』
『貸切』
『○○バス(←会社名)』
『臨時』

など普段はほとんど使用しないデータも
含まれている。

また、イベント開催に合わせて運行される
シャトルバスの場合、
あらかじめデータをインプットしておけば
イベント名を方向幕で掲出することも可能だ。

このように幕ではできない表示も
LEDではデータ更新だけで可能となるため、
ダイヤ改正では何かと重宝するのだが、
電子機器であるが故にエラーも発生する。

ある日のこと。

休憩を終えてバスの主電源にあたる
メインスイッチを入れて機器を起動させる。

転回場から始発のバス停までは100mほど。

そのため、バス停への移動途中に「回送」から
「○○行」と方向幕を入れる運転士もいれば、
あらかじめ「○○行」と入れてから
転回場を出庫する運転士もいる。

ちなみに私は準備を整えた上で運転したい
タイプなので後者である。

この日も出庫前に方向幕をセットしたのだが、
時間があったので車外に出て
軽いストレッチをする。

そして、何気に方向幕をみると正面だけが
なぜか「回送」表示から変わっていない。

(あれっ…?)

慌てて設定機でコードを入力するも反応なし。

(おいおい、どうしたの?)
(ハイテクはこれだから…)

刻一刻と迫る出発時間を前にため息が出る。

さて、方向幕にしても料金箱にしても
バスには色々な電装品が搭載されている。
時にはこのような異常も発生するのだが、
このような時の対処は基本”再起動”である。

なんとも原始的だが一番効果的なのだ。

幸い、再起動後は問題なく表示されたが、
念のため営業所に連絡だけいれておく。

それにしても、あのまま気が付かずに
走っていたらと思うとゾッとする。

余談ではあるが私が好きなゲームは、
「ファイナルファ○タジー」である。

ボス戦をクリアした直後にフリーズすると
ためらいと喪失感の中でリセットボタンを
押すこととなるが、
こちらのリセットは何のためらいも
なかったのは言うまでもない。

…私は「ファミコン」世代である(苦笑)

プロフィール

長年勤めたウェディング業界から路線バス運転士に転職したアラフォーの「こーくん」。メルマガのバックナンバーを公開しています。
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